第1回中央委員会 執行委員長あいさつ

 9月11日(土)、オンラインで中央委員会が開催されました。会議の内容は「高教月報」で確認していただくとして、ここには執行委員長あいさつを載せます。

 皆さんこんにちは、執行委員長の澁谷です。
 本日は中央委員会に参加してくださり、ありがとうございます。
 20年前の今日、9月11日、アメリカで同時多発テロが発生しました。
 その日のことはよく覚えています。家で仕事していたら、母親から電話がありました。「ニュースを見てご覧、大変だよ」と。テレビをつけてみると、ビルから煙が上がっている映像。音声はなかったと思います。最初は訳がわからず「何やってんだ?」という感じでした。そうしているうちに「飛行機が飛んできた」と思ったらビルに突っ込みました。初めは現実とは思えませんでした。が、そのうちそれが現実だとわかりました。そのあと数時間してビルが崩壊しました。その映像もリアルタイムで流れました。
 あれから20年。その後も世界中でさまざまな出来事がありました。軍事的にはアフガニスタン侵攻、ISの問題や関連する様々なテロ。経済面ではリーマンショック。そして今、日本でも猛威を奮う、新型コロナのパンデミック。
 いろいろなことを経験し、振り返ってみると、国外の事件も対岸の火事では全くない。さまざまな形で直接的、間接的に、私たちの生活や教育活動に影響を与えていることを実感しています。そもそも20年前の同時多発テロも、東西冷戦とその終結、その後のグローバリズムが大きな原因の一つであると言われています。
 1972年に米国の気象学者エドワード・ローレンツの提出した「ブラジルの一匹の蝶の羽ばたきは、テキサスで竜巻を起こすか?」という命題は、今では「バタフライ効果」と呼ばれ知られていますが、まさに私たちは、さまざまな事柄がごちゃごちゃに絡みあうカオス・複雑系の中で生きているといえます。
 そういう世界で私たちはどう生き、どう行動するか。
 難しい問題ですが、結局は、私たちは「様々なことを知り、そしてどんな小さなことでも自分のできることをやる」。それしかないのではないでしょうか。
 ここで思い出すのは、反ナチ運動家の牧師 マルティン・ニーメラーの言葉です。

 ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった。私は共産主義者ではなかったから。
 社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった。私は社会民主主義者ではなかったから。
 彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった。私は労働組合員ではなかったから。
 そして、彼らが私を攻撃したとき、私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった。

 誰かが困っている時、声をあげ、互いに支え合いながら行動する。それが必要なのです。
 今日の会議では、学校現場の様々な現実が語られると思いますが、またみんなで力を合わせて対処していきたいと思います。
 どうぞ、よろしくお願いします。

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